目の漢方健康知識の入門編
”読む目ぐすり”


内容を抜粋しています 詳しくは店舗でご覧ください

       
 
 
 大切な目をまもるために 

スマートフォン(スマホ)の普及によって、若い人たちの間に急速にスマホ老眼と呼ばれる目の深刻な症状か広がっています。テレビや、パソコン・IT家電などの液品画面に長時間接することが日常化し、若者だけでなく、小さなお子さんから年配の方まで、全ての世代が眼精疲労をはじめとする眼病のリスクにさらされています。

 なかでも、白内障や緑内障、加齢黄斑変性などの視力障害に繋がる眼病はQOL(生活の質)に大きく影響します。現在のところ一度発症してしまったら、症状を改善し、視力を回復する有効な手段はほとんどありません。目の健康と若さを保って深刻な眼病を予防し、発病を遅らせることがとても大切です。
 
 漢方や中医学(漢方の元となった中国伝統医学)は、古くから、「未病先防」と「抗老防衰」、つまりセルフメディケーションとアンチエイジングを重視し、人々の健康を守ってきました。それは、超高齢社会をむかえた現代にこそ活かしたい知恵といえます。

日々の差配を中心に、時には漢方薬や中成薬の力を借りて、いつまでもいきいきとした目で過ごせるように……この小冊子で紹介する古くて新しい漢方・中医学の知恵を活用いただければ幸いです
 。
 目次 CONTENTS

Chapterl 目の病気を知りましょう
04 目の仕組み/老眼とは?
05 目の病気のリスク
06 その目の不調、病気かもしれません
  眼精疲労・スマホ老眼/ドライアイ/白内障/緑
  内障/加齢黄斑変性/飛蚊症・網膜剥離/糖尿
  病網膜症
  コラム健康な目は睡眠中に作られる?
13 見え方をチェックしてみましょう

Chapter2 目の健康を守るために
14 目の健康を守る生活習慣
15 目の健康は毎日の食事から
16 ツボマッサージと目の体操でリフレッシュ!
  コラム/シーボルトと日本の白内障手術

Chapter3 中医学からみた体のしくみ
18 中医学ってなに?
  陰隔と五行/五臓と六腕/生命活動を支える「気・
  血・津液」と「精」
20 肝腎な目のはなし
  目は内臓の鏡/肝と目のはなし/腎と目のはなし
  /肝と腎と目のはなし
  コラム"動物からつくられる生薬

Chapter4 「飲む目ぐすり」
24 杞菊地黄丸
  コラム蜂蜜でつくる漢方薬?〜剤形のいろいろ
26 杞菊地黄丸に含まれる生薬のはたらき
  コラム/中国の眼科でよく使われる生薬
30 目が疲れた時に菊花とクコの実で明目薬膳
31 コラム/牛黄とお水取り/あとがきにかえて

*6〜29ページの下に目の病気によく使われる生薬を掲載しています。掲載項目:(左ページ)生薬名/原材料/性味/帰経/効能(右ページ)一口メモ
 
       
      
    
    
     
     目が疲れた時に

 菊花とクコの実で明目薬膳


 
菊花とクコの実はどちらも手軽に手にはいる薬膳良材です。この2つだけで簡単に目を潤し、疲れをとる薬膳ができます。

菊花5〜8個とお好みの量のクコの実をポットやカップに入れ、お湯を注いで2分ほどおくだけ菊花の香りとクコの実のやさしい甘さでリラックスできるお茶です。
 菊花の独特の苦みが気になる時は、緑茶と一緒に淹れると飲みやすくなります。緑茶は体の熱を冷まして潤すので、目が充血している時や体に熱を感じる時にもお勧めです。お好みで蜂蜜を入れても


     
牛黄とお水取り
 
 
奈良に春を吉げる東大寺様、二月堂の「お水取り」は、奈良時代から続く行事です。
練行衆と呼ばれる僧が松明を振りまわし、お堂の周りを裸足で駆け五体投地するなど、数日間暗闇の中で厳しい修行に臨みます。
この時、消耗した肝血を素早く補い、熱を冷まして、修行僧の体と目を守るために牛黄が使われてきました。
また、国家と国民の安穏平和を祈念する護符宝印の朱墨に混ぜて使用されています。

 神事や仏事で使われてきた大変責重な生薬ですが、東大寺様に牛黄を献上する片桐棲龍堂と松浦薬業株式会社の尽力により、一般用医薬品として遣すことができました。
牛黄は牛の胆のうに生じた結石(胆石)です。強い香りで心の邪を取りのぞき、てんかんや意識障害に使われます。
血圧降下、解熱、強心、利胆、鎖痙など様々な作用があり、高い抗酸化作用で目の疲れや老化に効果を発揮すると考えられます。

 
  
   腎精を蓄えてLOOK YOUNGER、LIVE LONGERに

                                
〜あとがきにかえて

 目本の眼科の歴史は古く、南北朝時代、尾張国の明眼院(現在の愛知県海部郡大治町)の馬嶋清眼法師が眼科医院を開いたのが始まりです。
インドの竜樹菩薩が伝えたとされる「龍木論」により手術を含む眼科の医術を習得し、その技は江戸末期まで代々の僧に受け継がれ、白内障をはじめとする深刻な眼病の患者が数多く訪れました。
 現在でも、これらの眼病を完全に治療する方法がないばかりでなく、ITの普及により、かつては高齢者の病気であった眼病が、若者たちにも広がりつつあります。

 今ほど健康寿命が重視される時代はありません。目も心も体もいつまでも若く健康でいるために、肝血と腎精を補うという中医学の知識を学び、若いころから杞菊地黄丸をはじめとする漢方薬・中成薬で腎精を蓄えて 
       
LOOK YOUNGER LIVE LONGER   にご自分の人生をおすごしください。

    最新版の改訂小冊子が累代顧客様の御要望で、
   目の漢方健康知識の入門編として
   呼称「読む目ぐすり」の養生訓として刊行されました。

                             


 
本小冊誌の刊行の序言、本誌刊行の以前に「正しい漢方知識があなたの目をまもる」を刊行し、好評を
いただきましたが、時代の進捗の方が早く、AI、IOTに対向する高度な医学論の知識が要求されてきました。
医療、健康、介護の技術革新「デジタルヘルス分野」でも遠隔診療、ビッグデーターなど人工知能が関与の
時代が到来、技術革新のまっただなかに私達は今います。予測不能に見える世界の未来に突入しますが、
注意深く目を凝らすと、確かな自己健康防衛のトレンドを見いだす指標があります。

 かって中医学として日本に昭和後期に渡来した各種弁証論治に基づく考察方も、初期には日本人の体質
とは大きく掛け離れて、効能効果は期待されたほど発揮できませんでした。
その後、日本に招聘、渡海された中国の中医師の資格の先生方も、日本の薬事法律や医師法にも不慣れで
各種制限の中で行動も限定されていました、ロシアから小児マヒ予防ワクチンを伝搬した星火産業の協力で
各大学に研修生として派遣入学し、日本の最新の西洋医学、生化学、薬理学など必死に習得され、
また出身母体の各中医学学院が、経済的発展に伴い大学に昇格、欧米各地の大学で研修した優秀な
同世代の学者が帰国され、交流をもたれました。
日本の大学での研修で博士号を習得された方も多く輩出し、なかには日本の大学に再入学され医師や
薬剤師の資格を得た方も出現、その結果、革新的な中庸医学が誕生しました。
日中はもとより欧米の医学理論も取り入れたバランスのよい、東洋医学が完成しました。

 中医学から広義の「中庸医学」の誕生です。現代的眼科疾患は細分化されていますが個々に対応できる
編集となっています。本学は、まだ日々進化しています。
根底の「補腎」の理論を読者は習得され将来到来が予測される平均寿命100歳の時代に人より早く対応できる
後天の腎精を蓄えてLOOK YOUNGER LIVE LONGERに御自分の人生をすごしてください。 

 最後にこの企画出刷に賛助協力を賜った数多くの方々に感謝します。
中でも1978年初頭に「わたしたちの漢方薬シリーズ」を刊行、漢方薬業界も日本の医療業界の小さいながら
一端を担い、科学技術の学習を重ねて企業経営に真摯に導入すると言う、故人の松浦漢方の松浦敬一会長の
将来を見据えた見識で、日中友好条約批准以前から、漢方の向学者に日中の膨大な資料を数十年に亙って
提供していただき、また著名な内外の学者の方々と若き日々交流の機会をいただいたことが、今日の革新的
中庸医学の誕生の源になったことを御紹介しておきます。
 脈々と漢方の源流は名古屋からの由縁であります。この冊子が消費者もとならず医療、薬学、製薬関係者の新しい啓
蒙の一矢となり、日本人の目を護る御役にたてればと関係者一同執筆刊行しました。

本知識の運用は、必ず東洋医学の研鑽を学んだ医師、薬剤師、登録販売者等の有資格者の指導監督下で
実践してください。

                     監修者  片桐平智