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より若く、より美しく、より元気に   「キノコと冬虫夏草の力で」

 

 冬虫夏草が使われてきた歴史    薬であり、食べ物です

冬虫夏草という名前がはじめて中国の薬物書に登場したのは、1615年頃に出された『寿世保元』のようで、比較的
新しいのです。だが、秦の始皇帝や唐の時代の揚貴妃をはじめ王侯貴族が不老長寿と若返りの秘薬としてこぞって
愛用したという言い伝えがあります。事実8世紀、唐の時代のチべット医学の古典『月王薬珍』には「肺の病気を治す」
と書かれています。

 『寿世保元』には「味が甘く、体を温める働きがあり、疲れ、喀血、勃起機能障害、精液の漏れを治す」とあり、
その後1694年に出された『本草備要』には「甘くて作用は おだやかで、肺や腎の機能を高め、止血し、痰や咳
を止め、慢性の咳に良い」とあります。

また、別の1765年に出された『本草綱目拾遺』には「効用は(朝鮮)人参と同じで、いろいろな病気や疲労などが治せる。
それは冬虫夏草が自然界から陰陽の気をすべて取り込んだものであるからだ」とあり、肺と腎を中心に、
五臓(肝、心、脾、肺、腎)、すなわち体の虚弱によるほとんどの病気に効果があると中医学では考えています。

 だからこそ、中国では、高価であっても、虚弱体質や病中病後をはじめ幅広く使われているのです。お茶、おかゆ、
スープ、鍋ものなどの薬膳(食養生になるからだに良い料理)として日頃から食べられ、薬酒としてのまれているのです。

  冬虫夏草の中医学からみた働きとその応用

冬虫夏草はからだを温め、作用する臓器は五臓(肝、心、脾、肺、腎)すべてですが、特に肺と腎によりつよい働き
があります。中医学の考えでは、肺は呼吸だけでなく、免疫、皮膚の機能などにも関係しています。そして、腎は
おしっこ、すなわち水分の調節だけでなく、生殖、生長、老化という一生に関係し、それは骨・歯、脳・髄・耳、
ホルモンに最も関連があり、非常に重要な臓器です。

従って、冬虫夏草の働きと使い方は、腎の機能を補い、肺の機能を高めることで、腎虚(過労や老化などによる
内分泌機能などの衰え)による勃起機能障害、夢精など精液の漏れ、腰と膝がだるくて力が入らない場合に、
また、咳を止め、痰をなくすことで、肺腎両虚(肺と腎、両方の衰え)による寒くなるとでる咳や痰、喘息、喀血、
病後の体質虚弱、自汗(体を動かさなくても自然に出てしまう汗)などの場合によく使います。

 もちろん、煎じ薬だけでなく、粉末にしてものみます。薬膳として鴨肉や鶏肉などと煮こみ、肉だけでなく、
スープごと食べます。人参、鹿茸(シカの柔らかい角)、霊芝などと一緒に焼酎につけた薬酒も愛用されています。
また、双料参茸丸のような中成薬(中国で中医学にもとづき製剤化された漢方薬)として配合されたものがあります。