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より若く、より美しく、より元気に   「キノコと冬虫夏草の力で」

 

 不思議な名前のキノコ、冬虫夏草

 冬虫夏草って、ご存じですか。文字通り、冬は虫で、夏になると草になるという不思議な名前の生き物です。しかも、
写真を見ると、虫のからだから一本の草のようなものが出ています。実はキノコの一種で、コウモリガの幼虫に、キノコの
菌であるバッカク菌が冬に寄生します。冬の間は、幼虫も菌糸もともに土の中で成長し、春になると、地面に頭を出した
「冬虫」は菌によって完全に死にます。死んだ虫の頭からは、夏にかけてキノコが育ち、「夏草」となります。

 この冬虫夏草は標高3000〜5000メートルの高原地帯でしか育ちません。つまり、中国のチベット、青海、四川、
甘粛、雲南など5つの省の高原だけです。一番とれる地区の標高は4500メートル前後で、夏至の頃です。
しかも、緩やかで南向きの、日当たりのいい山地にはえ、北向きの地では成長できません。
それは太陽のエネルギーをあびるほどもらいうけ、「陰陽」 (自然界のすべて)のバランスをとって成長するからだと
いわれています。 このようにチペット高原の周辺でしかとれない貴重な漢方薬ですので、昔から非常に高価です。
今ではとれる量も減り、金より高い価格で売られています。

 もちろん、冬虫夏草の菌糸を工場のタンクで大量に培養した製品が日本でも中国でも売られていますが、
その効用はチベット高原でとれた野生のものとは大きく異なるようです。


 冬虫夏草は1つだけ!「虫草」は別もの

「虫」はコウモリガの幼虫です。幼虫は5〜20cmの土の下にトンネルを作り、活動します。草の根や茎を食べ、
体長は3〜6cmまで育ちます。この幼虫は寒冷地で生育しますので、驚くほどの寒さにたえられます。
0℃で6日間置いたままでも死にません。湿度の変化にも強い適応力があります。さらに飢えにも強く、
栄養分のある土壌では8ヵ月間、また十分な栄養のない環境の中でも60日間も生きのびました。

「草」 (キノコ)はバッカクキン科フユムシナツクサタケです。ですから、漢方薬として、中国で認められてい
るのはコウモリガの幼虫に寄生したバッカク菌が成長し、子実体を作ったものだけです。事実、日本にも
コウモリガはいますが、気候、土壌、周りに生えている植物などいろいろな条件の違いもあって、本物の冬虫夏草は
見つかっていません。

 中国では、コウモリガ以外のが、セミ、アリ、ハチ、クモなどに寄生した冬虫夏草は「虫草」として区別しています。
日本で、天然の冬虫夏草を配合した医薬品は少なく、きわめてめずらしいものです。